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【FP】医療保険って本当に必要かどうかを考えてみた

 本日の日経新聞より。

医療保険、長寿化でも値上げできず、販売競争激しく。

2018/02/13 日本経済新聞

 医療保険が主力の保険会社の間で保険料を引き下げたり、据え置いたりする動きが相次いでいる。死亡率の低下に加え、医療技術の進化で受診料が上がり本来は終身型で平均3~5%程度料率を上げるとみられていた。医療保険は各社にとって売れ筋の商品で、販売競争の激化を背景に値上げは難しいと判断した。

 H30/4月に「標準生命表」が11年ぶりに改定されることは決まっています。長生きの時代になり昔に比べて人が亡くなる確率は下がっているからです。本文にも以下のとおりつづられています。

改定後は現在40歳男性の場合で1000人中1・48人とされる年間の死亡率が1・18人まで下がる。

 一方で高齢化や医療技術の高度化により、医療費は年々高騰しています。更正労働省平成27年度 国民医療費の概況」によるとH27年度の国民医療費は40兆8,071億円、国民一人あたりになおすと33万3,300円となっています。

 高齢化だけが医療費高騰の原因ではないにせよ、国民医療費のうちおよそ60%を65歳以上の医療費が占めており、因果関係があることは間違いないでしょう。長生きすればそれだけ病気やケガのリスクが高まるのは当たり前ですよね。

 このような状況において、終身型の医療保険の保険料が4月から値上げされると予測されていましたが、競争激化を背景に各社とも据え置きや値下げに踏み切るというのがこのニュースの主旨です。それだけ顧客ニーズがあり、保険料を上げてしまうと他社競合できないという判断なのでしょう。

 それだけ売れている終身型の医療保険ですが、果たして本当に必要なのかどうかという点を考えてみたいと思います。

 
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医療保険って本当に必要かどうかを考えてみた

日本人なら皆が加入している保険がある

 日本人は保険が好きですから、一生涯の医療(入院)保障があるという安心感に心魅かれるのは心情的にわかります。ただ、忘れてはいけないのが、皆さん既に入っている保険がありますよってこと。そう健康保険です。

 日本は皆保険制度をとっているので、国民全員が健康保険に加入しています。健康保険に加入していれば病院にかかっても医療費の3割負担で済むのは皆さんご存知のとおりです。

 では、健康保険でカバーできないその3割を補うのが民間の医療保険かというとそうとも限りません。健康保険には「高額療養費制度」というものがあります。これは1ヶ月の医療費が一定額を超えると超過分が還付されるという制度で、一般の収入世帯の方であれば月に8~9万円を超えた分は国が保障してくれます。

 注意しないといけないのは、入院中の食事代や差額ベッド代などは医療費に含まれません。ですが、それでも食事代が1日1,000円、差額ベッド代が1日6,000円かかったとして、1ヶ月まるまる入院しても30万円あれば十分カバーできる計算になります。この前提で考えたとき医療保険にどこまでお金をかけるべきかがポイントです。

 仮に医療保険に加入したとして、毎月の掛け金が5000円とします。この場合年間6万円・5年で30万円です。では、5年に1回1ヶ月以上入院するかというと果たしてどうでしょうか?

本当に備えるべきは病気が重篤化したケース

 入院日数は年々短期化していますし、入院が長期化する疾病はある程度限られます。今後はさらなる医療技術の進化により、医療費削減の観点から、入院せずに通院のみで治療を行うことが主流になっていくような気がします。

 であれば、毎月保険に同じ掛け金を拠出するのなら、短期の入院保障よりも、病気が重篤化しこれまでどおり仕事ができないような状態への保障にお金をかけるべきではないかと個人的には思います。

 先のことはわかりませんが、保険は「なる・ならない」の確率で考えるよりも、もしなったときにしっかりと保障が受けられるかどうかが大切です。貯金ではまかないきれないような不測の事態に、必要な分だけ保障を準備するのが賢い保険の使い方ではないでしょうか?

  今日はそれだけ。いおり。