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【FP】子どもの貧困は「あってはならない」親の責任としてやるべきこと

 1週間ほど前のニュースですが、こんな記事をみつけました。

低所得、7割が塾通い断念 民間団体調査で保護者
2018/02/14 日経速報ニュース

 子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」(東京)は14日までに、低所得世帯の保護者の7割が、経済的理由から子どもの塾通いや習い事を諦めているとのアンケート結果を公表した。
 昨年10~12月、「あすのば」が低所得世帯に支給している給付金を利用した保護者と子どもを対象に調査した。
(中略)
 「あすのば」の給付金を利用した子どもからは「月10万円の父の障害年金だけで生活」「母子家庭がこんなに苦しいと初めて気付いた」との声も寄せられたという。
 アンケートは計約3200人を対象に実施し、全体で約1500人から回答があった。〔共同〕

  貧困に陥った事情はそれぞれでしょうが、仮に稼ぎ頭である父親の死や、自己や病気で働けなくなる状態に起因するものであれば、心苦しいばかりです。

 このアンケート調査の内容と感じたことを記録しておきます。

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子どもの貧困の現状把握と考察

公益財団法人「あすのば」とは

 公益財団法人「あすのば」は子供の貧困対策センターとして、子どもの貧困の実態調査等の「調査提言」、入学・新生活を迎える子どもへの給付金といった「直接支援」、ワークショップ・研修会の開催などの「間接支援」を柱に、子どもを持つ貧困世帯への支援を行っている団体のようです。

 

「子どもの生活と声1500人アンケート」概要

 ニュースにあった「子どもの生活と声1500人アンケート」に目を通してみました。調査対象は2016年に実施した「あすのば入学・新生活応援給付金」を届けた世帯の子ども本人と保護者。3,263名の申し込みがあり、3,050名が該当、採用したのは2,257名の小学生から大学生まで。審査基準は、子どもの扶養人数や新生活の予定を含め、総合的により経済的に厳しい家庭と社会的養護退所予定者から採用。全国の対象者母数は約60万人と推計されています。

 

アンケート結果より抜粋

受給世帯の勤労月収114,000円 86%は年間300万円未満で生活

 応援給付金を受け取った世帯の勤労月収中央値は手取りで114,000円。諸手当も含めた総年収中央値は約203万円。年間300万円未満で生活する世帯は86%。

 一人暮らしなら年収200万円でも生活はできるけど、母子家庭で児童扶養手当等を含めても年収200万だとはっきりいって厳しい。日々の暮らしは何とか切り詰めても、今回の進学準備金の用な急な出費には対応できないのかもしれません。

 教育費だけを考えても、大学まで出そうと思えばオール国公立であっても一人最低1,000万円はかかるというから、子育てにかかるお金の話はほんとに他人事ではないです。

 

経済的な理由で塾・習い事を69%の世帯が断念

 「経済的理由で諦めたこと」を複数回答で尋ねると、908人の回答のうち「塾・習い事」が68.8%で最多。「海水浴やキャンプなどの体験」が25.3%、「誕生日などのお祝い」が20.2%、「諦めた経験はない」は14.0%。

  個別に事情は違えど、誰だって親の都合で子どもの夢をあきらめあせたり、教育水準を下げるようなことはできたらしたくないですよね。お金がかかるから子どもは産まないではなく、お金が無くても子育てができる社会が必要です。

 

この記事から感じたこと

 この記事を読んで感じたことは、貧困に陥った原因はそれぞれあろうが、生まれてくる子どもには何の罪もないということ。子どもの貧困は「かわいそう」ではなく、「あってはなあない」ことだからです。お金が無くても子どもたちが平等な教育をうけることができ、夢をあきらめないですむ仕組みが必要なんだと思います。

 一方で職業柄感じるのは、原因が親の死や就労不能によるものであれば、きちんと生命保険等に加入していれば防げたかもしれないということ。「月10万円の父の障害年金だけで生活」という子どもの言葉が刺さりました。

 お金がないから保険に入らないという人がたまにいますが、これは間違っています。亡くなっても誰かにお金を残したり、自分が働けなくてもだれにも迷惑をかけないというのであればこの限りではないですが。

 お金がないからこそ、何かあった時のために備えるのが保険。軽い入院くらいなら貯金で賄えても、もしも働けなくなったときに子どもの教育費をだれが面倒見るんだていう話です。

  保険は支払いの対象になるかならないかの確率で考えれば、なる確率の方が圧倒的に低いです。損得でいうと損をします。ですが、もしそういう状態になってしまったときに今の生活を守れるかどうかが重要な訳です。

 幸いにも日本は社会保障制度が充実しているので、最低限の生活は守られます。しかし、それでは足りない部分があるからこそ、社会保障制度を補うカタチで必要な分だけ掛け捨てで安く準備するのが賢い保険の入り方です。

 掛け捨てといいますが、別に捨てられている訳ではなく、自分が受け取らなかった分は困っている誰かに届いています。子どもを持つ親は自分の責任として、必要な分だけでいいので生命保険に加入してほしいと思います。

 

 今日はそれだけ。いおり。